招き入れたということは、会話をしなければいけない。 さてどうしたものか、と視線をあちこち泳がせていれば 先に口を開いたのは向こうの方だった。 「ちゃん、やんな?」 「何で名前、」 「僕のはとこがさ、ホグワーツの教師なんだよ」 「そんでちいとばかし入学者リスト拝借してん」 「でも、どうして私がだって分かったの?」 「知らへんの?」 「何が?」 「今年、女子生徒2人だけなんだよ」 「は・・・?」 「ちなみにもう1人は顔なじみ」 「ってことで、必然的にあんたがってわけ」 「ちょ、ちょっと待って」 「うはは、めっちゃ焦ってる」 「当たり前でしょ!?」 「元々日本人の魔法使いって数が少ないし」 「何で魔女って少ないんやろなー」 「女子、2人・・・?」 「まだそこにいんの?」 「まあまあ、俺らが仲良くするから安心しい」 「だったら、名前!!」 「はい?」 「え?」 「仲良くしてくれるんでしょ? 名前、教えてよ」 混乱する頭を落ち着かせようと、何度か揺する。 ちょっと気持ち悪くなったけどこの際関係ない。 今わかっているのは、こいつらを逃がすな、ってことだ。 (08.07.18/第2話改訂) |