動き出す団体の一番後ろを着いて行こう。 自分の後ろに人がいないことを確認して、 のそのそと皆が進む方向へ歩き出す。 ふと顔を上げて、前を見てみれば、 金色の髪がさらさらと風に揺れていた。 「シゲちゃん」 「はよしないと置いてかれるで」 「待っててくれたの?」 「俺ら以外頼る人おらへんやん」 「うん」 「せやから、俺らが仲良くしたるって、」 「マグルのこと嫌いなのに?」 試してみよう、と思った。 反射する金色が眩しくて、 それを、悪戯に引っ張ってやりたい。 少し、興味がわいたの。 だから、揺さぶってやろうと思った。 「あー。やっぱ気づいとったんや」 「まあ、」 「別にマグルが嫌いちゃうねん」 「そうなの?」 「無知なヤツが嫌い」 「翼君に色々教えてもらったから私はもう無知じゃない」 「そやな」 「私のこと、嫌い?」 「ちゃんは嫌いちゃうよ」 「さっきまで嫌ってたくせに」 「さっきまでは、な」 「じゃあ、今は?」 「そうやって俺のことつついて遊ぶちゃんは、嫌いちゃうな」 にっ、と口を横に開いてシゲちゃんが笑った。 だから私も同じように笑う。 きっと私とシゲちゃんはすごく似てる。 いま、分かった。 うん、仲良くなれる。 ぜったいに。 (2008/07/20) |